2011年2月1日火曜日

桂離宮へ

京都暮らしを始めてから何度目の訪問のことやら。桂離宮は私が京都で最も美しいと思う場所です。平安京の時代、藤原道長の別邸があった場所で源氏物語では松風の帖でこの地が描かれています。桂=月とのこと。八条宮初代智仁親王により宮家の別荘として創建され、二代智忠親王が完成したが、明治16年まで約300年間、宮家の別荘として使用されていたそうです。

私が中学生の確か美術の時間のこと。ドイツの建築家ブルーノ・タウトが岡倉天心等と日本建築の調査を行った際に桂離宮を訪問し「涙が出るほど美しい」と評した話は50年以上、私の頭から離れなかった。目の当たりにしてまさにその美の境地に感動しました。少し歩くとその先に全く新しい風景が目に入り、今見た場所は跡かたもなく隠され、素朴な純和風建築には同時期のルネッサンス様式が遊び感覚で垣間見ることができます。最近はインターネットで参観予約できますから、未訪問の方はぜひどうぞ!

                                    紅梅の向こうに右から古書院、中書院、新御殿が雁行の形で並ぶ。
          中央が古書院。月見台があり中秋の名月が東の空に現れ、やがて月は池に浮かぶ。