2013年11月30日土曜日

光明寺へ

長岡京市の紅葉名所の光明寺(浄土宗/ご本尊は阿弥陀如来様)へ。創建は1198年。法然上人の弟子蓮生(熊谷次郎直実)が開基とのこと。源平合戦の平氏方で闘いにあけくれた武蔵野国熊谷の御家人熊谷直実は法然上人の教えに深く感銘し鎌倉時代に入った晩年は浄土宗に帰依し出家したそうです。

この寺の初参拝は3年前。紅葉の真っ盛りでこれぞ京都の紅葉!とすっかり魅了されました。今回は愛知の友人を誘ってのんびり参拝。しかしながら大型バスで観光客が次々と。参道は上り坂と下り坂に分れてそれぞれの趣で紅葉を楽しむことができます。境内に京都の土産物屋が多数出店していたのはややびっくり!!

             緩やかな上り坂の両側に色彩豊かな紅葉が。人々は立ち止まって動かない
              下り坂は紅葉真っ盛り。両側のモミジが青空で交差して鮮やかな絵模様が


2013年11月29日金曜日

二科展へ

左京区岡崎公園内の京都市立美術館へ。高校時代美術部の後輩が40数年間に亘って二科展に出品しています。愛知県の高校で美術指導をしながら半世紀に亘って出品を続ける根気強さには頭が下がります。彼女のお誘いで久し振りの二科展へ。年賀状のやりとりを続けていましたが実は50年振りの再会でした。

2年後輩ですが私は彼女の顔を見ても全く覚えていません。彼女がお喋り好きだったため会話がはずんで助かりました。 京都市立美術館は1933年建設の堂々たる建物です。東京都美術館に次ぐ日本で2番目に完成した公募展目的の美術館。二科展の展示作品は私が若い時に共感した作風に満ち溢れていました。
   
            この冬一番の寒い朝でしたが天候は晴天で昭和初期の建物がくっきりと
           写真撮影OKと彼女に聞いてシャッターを。作品は150~200号の大作がずらり




永観堂禅林寺へ

ご親切なお隣の奥様から永観堂禅林寺(浄土宗/ご本尊はみかえり阿弥陀如来様)の夜間招待券をいただきました。おびただしい数の人人人・・・夕方4時到着のため昼の部で参拝し見事な紅葉の庭を一巡して、一旦外へ出てお茶を飲み再び永観堂へ。なんとまあ薄暗闇の中に長蛇の列が。招待券の私は一番乗りして境内へ。

阿弥陀堂のみかえり阿弥陀如来様に2度お参りしました。みかえりとは遅れる者を待つ姿勢、思いやり深く周囲を見つめる姿勢、自分自身をかえりみ前へ進む姿勢。お首を左へかしげて振り向いておられます。創建は9世紀半ば。当初は禅林寺という名称だったが後に慈悲深い永観律師を慕う人々によって永観堂と呼ばれることに。

                          観光シーズンの京都はどこへ行っても人の波。私と同年輩の高齢者か若い女性達
               青い芝の上の黄色は銀杏の葉。モミジの赤と見事なコントラスト





天授庵へ

左京区の南禅寺搭頭の天寿庵(臨済宗/ご本尊は釈迦牟尼仏様)へ。紅葉の名所として名高く、参拝者は平日にも関わらず庭園内は圧倒的多数で前になかなか進めません。天授庵は南禅寺を開山した禅師をお祀りする寺院で創建は700年前。一度滅びかけたが江戸時代初期に細川幽斎によって再興されたとか。

天授庵本堂内は非公開のため入室不可ですが、私の好きな長谷川等伯の襖絵が32面全て描かれており重要文化財だそうです。等伯64歳晩年の傑作とのこと。画題が豊富多彩で知られているが禅宗の逸話を題材に禅の鋭く厳しい修業の心を描いた絵は他に類を見ないとか。あーぁ特別公開してくれないかな・・・・
  
         私のガラ系携帯では紅葉がボンヤリしか写らないためHPから転用した写真デス

               本堂横の紅葉。庭園内をぐるっと廻って色鮮やかな紅葉を満喫







南禅寺へ

京都の秋を代表する紅葉名所の左京区南禅寺(臨済宗/ご本尊は釈迦如来様)へ。大きな三門は堂々たる構えで重要文化財です。歌舞伎ではこの三門の楼閣で大泥棒の石川五右衛門が「絶景かな!絶景かな!」といったそうですが、実際の三門完成は五右衛門処刑以後のこと。

方丈(国宝)・三門ともに非公開のため、参拝料不要でいつも庭園を散策するのみ。日本の全ての禅寺の中で最も高い格式を持つそうです。京都五山・鎌倉五山よりも一つ格上とのこと。禅宗の臨済宗は高貴な方や武家の信者に普及し京都に多くの寺があります。我が家宗派の曹洞宗は庶民派で京都では極めて少ないようです。

               午後3時を過ぎた参拝ですが、これぞ京都の錦秋という風情の紅葉
             ガラ系携帯では紅葉は綺麗に撮影できず残念です。スマホに変えなくては・・






2013年11月23日土曜日

知恩院三門へ

幼馴染が京都へ来ました。豊川信用金庫招待の一日バス旅行とのこと。小学校の時から茶道や華道を一緒に学んだ郷里の友です。愛知県人はちょっと旅行をするというと京都へ気軽に旅します。東名高速道路に乗れば2時間程度で到着とか。知恩院前のバス乗り場でしばしの対面。先日豊川稲荷参拝へ一緒に行った友人です。

いつのまにか知恩院(浄土宗/ご本尊は勢至菩薩像様)は紅葉真っ盛り。平日なのに大変な参拝者数です。京都新聞では東山山系の清水寺や高台寺も紅葉が見頃とか。土日の京都は好天で大変な人出でしょう。3・11以来減少した京都の観光客も過去最高の訪問者数に戻ったとか。お・も・て・な・し!の本場京都は12月初めまで紅葉シーズンで大賑わい。

            晴天の知恩院山門周辺は観光客が溢れて。月曜からどこの紅葉を見に行こうか
                         知恩院東側の円山公園も紅葉が。桜が多いと思ったがこんなにモミジが多いとは

多田寺(福井)へ

役の行者が開いた山岳宗教若狭修験の根本道場の多田寺(真言宗/ご本尊は薬師如来様)へ。薬師如来様は蓮華の台座から頭頂に至るまで欅の一木彫刻で樹齢3000年の巨木を使用し192cmの仏様に。創建は8世紀半ば。奈良時代孝謙天皇の眼病を快癒した仏様で日本三大薬師として敬われているそうです。

本堂内には日光十一面観音様・菩薩様・四天王様・十二神将様が安置され脇には阿弥陀如来様3体が。お顔がよく似た平安時代作の阿弥陀如来様は廃寺から寄進されたそうで若狭小浜がいかに醸成された地であったかを物語っています。明治維新の廃仏棄釈も辛抱強く乗り越えた民衆の仏教への力強い信仰心が・・・
  
         本堂内には驚きの仏様達が。多田寺が京都であれば多数の参拝者が押し寄せるでしょう
           案内女性の弁では静かに鐘を突くとお金が儲かる。心して祈願して打つようにだって!







2013年11月22日金曜日

妙楽寺(福井)へ

7世紀初頭この地を訪れた行基を開祖とする妙楽寺(真言宗/ご本尊は千手観音菩薩様)へ。境内は4000㎡と広く苔むした石垣の間を抜けて朱塗りの橋を渡り三門を入ると本堂・鐘楼・地蔵堂等が。本堂は鎌倉時代作で若狭最古の建造物です。寄棟造り檜皮葺で豪華な天井と立派な厨子の中には・・・

ご本尊の木造千手観音菩薩様は平安時代作で176㎝。お顔も立ち姿も見事な彫り物で桧の一木造り。千手には蓮の花や斧や宝剣など様々な捧げ物が。創建当時の人々の篤い仏様への帰依の心が伺えます。往時は日本海側の各地が海外へ開かれた港であり豊かな物資の往来がこの地に安寧の恵みを与えたのでしょう。

                  三門から本堂までは鬱蒼とした大木の杉木立が並ぶ道が
           本堂内にはご本尊様といずれも平安時代作の地蔵菩薩坐像・観音菩薩坐像が並んで

円照寺(福井)へ

広々とした田園地帯の円照寺(臨済宗/ご本尊は大日如来様)へ。7世紀創建の古刹で初めは真言宗だったが15世紀に現在地へ移り越前瓜生家の帰依をえて現寺号へ改めたそうです。大日如来堂内には平安時代作の重要文化財の大日如来様坐像が。250㎝と大きな漆箔の仏様で穏やかな祈りのお顔です。

 大日如来様はこの世を明るく照らしているだけで祈願しても何も叶えてくれないとは罰当たりな同行歴史家の弁。堂内には同じく重要文化財で鎌倉時代造の不動明王立像が。福井の仏像は京の都で修業した仏師の作でいずれも見事な出来栄えです。名もなき仏師の作が長い年月を超えて世の平安を願っています。

                     本堂奥の大日如来堂。参加者全員で般若心経を読経し心を清めて参拝
                   ようやく見つけた若狭小浜の紅葉!真っ赤なモミジが秋だ!!







萬徳寺(福井)へ

一日バス旅行で若狭の古仏探訪の旅へ。萬徳寺(真言宗/ご本尊は阿弥陀如来様)の開基年代14世紀とのこと。16世紀に兵火で焼失したが再建され戦国末期から江戸時代にかけて小浜藩主の京極家・酒井家の帰依が厚かったそうです。阿弥陀如来様(重要文化財)のお顔や肩が丸く平安後期の特徴が色濃い坐像です。

今回は福井の紅葉を目指してバス旅行に参加しましたが若狭の紅葉はまだ始まったばかりでした。仏像に詳しい歴史家同行のバス旅行のため阿弥陀如来様の周りに集まって懐中電灯で照らして詳細説明を受けました。小浜は京都に近いためか幾多の寺社が現存し車や観光バスで参拝する人も多いようです。

           国指定の名勝庭園。書院前に山畔を築山風に利用した蓬莱式の金剛界曼荼羅庭園
               書院から階段を昇った場所の本堂(阿弥陀堂)。日本の紅葉百選・花の寺









2013年11月20日水曜日

満月酒宴⑦へ

18日薄い雲がかかった満月の夜木屋町のイタリアン・アモーレ木屋町で満月酒宴が開催されました。隔月の満月に開催されるイベントで今回で7回目。伏見の造り酒屋300年の歴史の山本本家さんが毎回日本酒を提供くださるありがたいイベントです。イタリアンは酸味があるから日本酒もやや酸味のあるもの他を用意とのこと。

山本本家さんは毎回料理に合わせて御酒を準備くださいます。今回は口当たりの良いフルーティな御酒でハイッ乾杯!!ゲスト出演のオトフォリオ01・ヴォーカル松井省悟さんが即興で創った「満月・この夜・木屋町・アモーレ・・・・」を皆で大合唱して楽しかったぁ!ピザは満月酒宴テーマの特別メニューで美味しかったです。ごちそうさん。

            木屋町通りの「アモーレ木屋町」奥は鴨川に面し2階は1フロアーの大きな部屋

2013年11月17日日曜日

京都御苑へ

金剛能楽堂の帰りに京都御苑の紅葉を確認に。蛤御門には戦火の傷跡(砲弾跡?)が今も残るといいますが何回見ても判りません。夕刻4時頃ですが訪問者は多く人々はそぞろ歩き。御苑の枝垂桜は早咲きで3月20日過ぎに満開になりますが紅葉は遅くまだ先のようです。蛤御門を入って南へ100mに宮内庁京都出張所がひっそりと。

蛤御門は「京都御所・仙洞御所・桂離宮・修学院離宮」拝観予約のために何度も通った門です。ざっと見渡しても御苑内で紅葉しているのは銀杏と桜が少しと小さなモミジのみ。歩きにくい玉砂利を踏んで御所の北側の壁を東へ進み、極端に地味な塀の近年内部を改装した迎賓館を横目に見ながら梨木御門をくぐりました。

         名高い蛤御門。1200年の王朝京都御所の門構えは質素で防備体制は全くないに等しい
                                          京都御所北西角の銀杏の大木が見事な紅葉に染まって

フォーラム古典の世界を読むへ

金剛能楽堂(上京区)で開催の古典の日朗読コンテスト審査会へ。課題は明治の文豪夏目漱石・夢十話/森鴎外・山椒大夫/樋口一葉・たけくらべ/宮沢賢治・なめとこ山の熊。全国500数十名の応募から最終審査に残った15名の朗読は素晴らしい出来栄え。私は事前に再読しストーリーを確認したが、出場者の笑顔に溢れた朗読は圧巻でした。

正しい言葉使いで話す朗読がこんなに心地よいとは。 自身で読む読書との相違を改めて実感。特別顧問日文研の芳賀徹氏は福沢諭吉の新国家教育論・学問のすすめを熱く語り、審査委員長新井満氏は石川啄木の短歌に曲をつけ、多彩なアーティストの顔で古典への熱い想いを歌って語った充実した一日でした。
          
       150年前建設の旧金剛能楽堂を改修工事し2008年に屋内に移築。19世紀と21世紀の融合建築

とらや京都店へ

上京区の「とらや京都店」へ。京都御苑の西側烏丸通りから一条通りを西へ100mにモダンな建物の京都店があります。店内は明るく広くテラスの向こうは芝生と池が秋日をあびて。皇室御用達のとらやの歴史は500年和菓子のレシピは3000種とか。皇室へ献上時の和菓子は通常サイズの3倍の大きさ。京都の老舗店の展示会で実物を見てビックリ!!

赤飯軽食は量が少々吸物漬物付き中途半端な量でとらや価格!?1年半前パリのサントノーレ店で赤飯軽食を何度も食べました。上質な和菓子の数々と抹茶も旅のひと時を癒してくれました。本日は土曜なのに訪問者は少なく秋の穏やかな時間の中、新しい友人と会話がはずみ楽しい時間を過ごしました。

         ここは工場跡地に建築した茶寮で芝生のテラスの向こうは重厚なお蔵と稲荷社の鳥居が
             ギャララリー風で書物やゆったりした椅子も。高い天井でイベントもできそうな空間

2013年11月9日土曜日

伏見稲荷大社へ

伏見区の伏見稲荷大社(主祭神は宇迦之御魂大神)へ。「火焚祭」開催の新聞記事をみて出かけました。好天の秋の大祭で参拝者は正月のような賑やかさ。内拝殿は厳かなご祈祷の最中でしたがふと横の能楽殿を見ると知人の狂言師出演の狂言が始まるようです。椅子に座って奉納狂言に魅入って大笑いしました。

彼は茂山忠三郎家の若い狂言師で昨年鞍馬の火祭で紹介されました。東京の友人の弟さんで30歳。計4番の狂言の間に椅子をはなれ広場で開催の火焚祭を人垣の向こうに拝見。秋の空を焦がす火の祭典が神官や巫女達の手で行われて。秋の大祭は火焚神事・奉納狂言・御神楽舞と多彩な行事があるようです。

             近鉄駅から伏見稲荷大社の外拝殿まで大勢の参拝者が連なって大賑わい
           奥の院へ続く2つの鳥居前は記念撮影する若者が次々と。隙間を待ってようやく写真が

2013年11月8日金曜日

京大未来フォーラムへ

卒業生による公開講座の京都大学未来フォーラム受講のために百周年時計台記念館へ。早めに受付へ到着し座席を確保し正門前のレストランで総長カレーを食べて受講するのが私の常。今回の講師は社会学者で東京大学名誉教授の上野千鶴子氏。専門は女性学・ジェンダー研究の第一人者。私と同世代の上野氏が40年間の研究活動を語りました。

フェミニズムは学問をどのように変えたか?ウーマンリブから40年の第二波フェミニズムの時代の流れを時には鋭い言葉で笑いを取りながらの講演。今回は若い男女の受講生が多く質問が的確なのに驚いた。事前に著書を読んで臨んだ様子。欧米に比べていかに日本社会は男女格差が・・・勤務中に幾度も感じた悔しさ。女性の自立はまず男性の自立自覚から。

                       到着は開場の15分前。PM5:30の空はもう暗い。樋口一葉を読みながら並んで



2013年11月7日木曜日

薬師寺(奈良)へ

天武天皇発願の薬師寺(法相宗/ご本尊は薬師如来様)へ。私の体は疲労困憊ですがここまで来たら薬師如来様、日光菩薩様、月光菩薩様にご挨拶しなければ・・・陽が射したせいか金堂内はとても明るく薬師三尊様の全身や堂内を非常によく拝見することができました。修学旅行生のガイドさんの説明に納得しながら三周して。

白鳳時代建立の国宝三重の東搭はただ今平成の大改修中。幸いにも搭の上の銅製の水煙が61年ぶりに降ろされて展示中です。水煙は4面で24体の天女が飛天しています。台湾産の直径3mの心柱も約10mの長さで展示中。偶然にも声明で鍛えた大きな声でお坊様が自らご案内くださいました。ありがたいことです。

                 昨年4月花会式の夜断食中のお坊様とお灯明の下お経を読んだ幸せな時間が
撮影許可された水煙。透かし彫りの水流に天女が舞い白鳳時代の確かな技術と優美な表現力







西大寺(奈良)へ

西大寺(真言律宗/ご本尊は釈迦如来様)の創建は780年称徳天皇発願のお寺です。称徳天皇は東大寺を創建した聖武天皇と光明皇后の第一皇女。完成時は110数宇の堂社が並び、まさに東の東大寺に相応しい西の西大寺になりました。東大寺の現在敷地は27万坪。西大寺は紆余曲折をえて1万坪とは堂宇さんのお言葉。

失われた敷地は民家、と寂しげ。聖武天皇譲位後孝謙天皇として即位。一度皇位を退いたが再度称徳天皇として即位中に西大寺を創建とのこと。西大寺が収蔵する寺宝はおびただしい数で現存するものは正確な由緒を物語るそうです。私は30代の春、大茶盛式に参加し3人で持ち上げる大きな茶碗でお茶をいただいた思い出が・・・

            門を入ると長い参道が。奈良の寺社の塀は茶色い素朴な土壁でなぜか落ち着く
                           高校時代、本堂と失われた五重塔跡を熱心にデッサンした記憶があって懐かしい

2013年11月6日水曜日

海龍王寺(奈良)へ

法華寺北側の海龍王寺(真言律宗/ご本尊は十一面観音様)へ。平城京設立の折北東の護りとして毘沙門天を祀った寺院として創建されました。藤原不比等が絶大な力を得て邸宅が建設された際も壊されることなく邸内の寺院として都の北(鬼門)の護りを担ってきました。公開中のご本尊の十一面観音様は光明皇后が彫られたとのこと。

遣唐使として東シナ海を渡航前に僧侶達が留学安全祈願する寺として聖武天皇から海龍王寺の名を定められたとのこと。当時写経が盛んで光明皇后は般若心経他を1000巻書写され、後の世に弘法大師空海も1000日間参籠し般若心教を書写して入唐したそうです。私の参拝は3回目。寺宝を多数さりげなく展示する静かなお寺です。

                            海龍王寺本堂。西金堂内には国宝五重小搭他が安置され特別公開中でした







法華寺(奈良)へ

聖武天皇の奥様光明皇后創建、法華寺(光明宗/ご本尊は十一面観音様)へ。父の藤原不比等の邸宅を光明皇后が総国分尼寺として改装以来1250年間皇室と深いご縁の門跡寺院です。非公開のご本尊十一面観音立像と復元漆金薄絵盤と多数の寺宝が正倉院展に合わせて特別公開中。

偶然訪れた初参拝は4年前の4月光明皇后1250年大遠忌法要がこれから始まるとのこと。式典参列の申し出が堂宇さんによって快諾され薦めに従って最前列へ。旧宮家(久我家)からお入りになった高齢の美しい管主様のご挨拶、来賓の東大寺と薬師寺執事長のご挨拶があり雅楽が奉納され偶然にも東京の知人と会い、お弁当と呈茶のご馳走になった幸せな時間でした。

      十一面観音様は光明皇后のお顔を模し秘仏として長く非公開のため保存状態はよくお姿は美しい
                  平城京の北西にあり創建時は大伽藍を要したそうで女人道場として慈悲の祈りが

奈良公園へ

奈良公園はとても懐かしい。50年以上前の高校1年の夏美術部の合宿で公園沿いの古い旅館(日吉館)へ宿泊しました。現在は取り壊されたが名物女将が画学生や建築科学生の面倒をみてくれた安価な宿でした。日本家屋が斜めに傾き、寝ると転がるね!と大騒ぎ。障子の向こうの朝夕の美しい公園が今も目に浮かびます。

薄暗い時間に宿を飛び出し朝食で帰宿し日暮れまで神社仏閣や仏像のデッサンに邁進し真っ黒に日焼けした夏。50年後のリッチな本日のランチは我が家隣のご親切な奥様に教えていただいた公園内の茶屋の縁台で茶粥懐石に舌鼓。奈良公園では必ず鹿に煎餅をあげるのが私の習慣です。牡鹿は10月に角を切られた直後で痛々しい。

             奈良公園の鈍い紅葉は桜の葉。春日大社の神徒1200頭の鹿が遊歩する
             穏やかな晴天。 芝の生育がよく鹿が食み、暖かく優しい日差しが注いで・・・

2013年11月5日火曜日

正倉院展(奈良)へ

奈良国立博物館で開催の第65回正倉院展へ。メイン展示は漆金薄絵盤(お香の台座)。約1260年前大仏開眼法要時に作成し1回だけ使用し以来保管されてきた台座です。3年前仏教大学社会人セミナーで法華寺へ奉納するために2/3サイズに復元した若い女性の作業工程を受講したが、講義内容は今も鮮やかに記憶に残って。

正倉院展は近年超満員のため早朝に奈良へ出掛けたが開館前なのに10分待ち。私同様年金生活の暇人が圧倒的多数でした。今回の出品は仏具をはじめ聖武天皇のご遺愛品、楽器や伎楽の面、貴族の遊具や経典などなど。東京在住時も正倉院展に何度も足を運んだが大阪の友人が毎回招待券を送付してくれて感謝です!

            先回は常陸宮妃華子様がご来館のため入場が一時中断されて長蛇の列が
                  パンフ掲載の漆金薄絵盤。極細画が描かれた蓮の花びら。よく見るとアチコチ剥がれ落ちて
        法華寺で特別展示中の復元台座と初対面して感激!受付横の小さな写真を許可を得て撮影











2013年11月4日月曜日

長楽寺へ

東山区の長楽寺(時宗/ご本尊は観世音菩薩様)。805年桓武天皇の勅命により創建され伝教大師開祖の古刹です。当初は天台宗だったが一遍上人の時、時宗に。円山公園奥のため静かな寺ですが江戸時代まで花の寺として大変な賑わいだったとか。壇ノ浦の合戦で入水後源氏に助けられた平清盛の娘建礼門院徳子が剃髪した寺で木像が安置されています。

建礼門院は壇ノ浦で入水した幼い安徳天皇の御衣を小さな幡に仕立て奉納し展示されています。特別公開中なのに受付に人がいない。自由にお入りくださいと各伽藍に張り紙が。一遍上人他多数の高僧の坐像が安置されています。隠れた紅葉の名所のようで東山山麓の古木の間の空を青モミジが覆っていました。

            長楽寺参道。外人参拝者が多いのは北側の日本家屋のお宿吉水の客かも
足利義政が慈恩寺(銀閣寺)創建前に長楽寺の庭で試作した東山山麓の清水を引いた池


知恩院へ

東山区の総本山知恩院(浄土宗・ご本尊は法然上人像と阿弥陀如来様)へ。国宝御影堂は2019年完成を目指してただ今平成の改修中です。大屋根などの修理現場見学のため訪問しましたが迂闊にも1日間違えてしまいました。結果、未参拝の寺院内伽藍の一番高所の勢至堂と御廟を参拝しました。

法然上人は平安時代末期の生誕ですが昨年没後800年大遠忌が盛大に開催されました。今年春、仏教大学名誉教授/知恩院資料編纂所所長の平先生(平清盛の弟の32代目)のご案内で友人と修理中の御影堂内を参拝以来の訪問です。本日は三連休のため参拝者は大変多くモミジや桜が色付きはじめ紅葉シーズンはもうすぐです。

              知恩院山門の裏側。三門の楼閣には極楽図が描かれただ今特別公開中
              左側が法然上人の御廟。右側は唐門。京都の町を見下ろす絶景ポイント




2013年11月2日土曜日

古典の日フォーラムへ

11月1日は「古典の日」。平安時代中期紫式部が源氏物語を発表してから1000年後の2008年から毎年京都では古典の日のイベント開催を始めました。去年スピード法定化され「11月1日は古典の日」と決定。山田知事・門川市長・瀬戸内寂聴氏・冷泉貴美子氏などの発起人が参列して式典が開催されました。

会場は北区の京都コンサートホール。前から3列目真ん中席に友人と陣取って、最初はバッハのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタとルクレールのタンバリンが演奏されて。①指先まで見える至近距離のため生演奏感覚で大満足。②浅野温子の「古事記よみ語り」。ジーンズにカッターシャツ姿で現代語訳過ぎで興ざめ。③浅田次郎の講演「私の中の古典文学」でした。

            磯崎新氏がコンペで設計した京都コンサートホールは大中小のホールを持つ
              正面はパイプオルガン。大ホールも1500人収容だがステージは意外に狭い