2011年1月31日月曜日

源氏物語の色

冬の京都は寒い。従って、私は引きこもりがちですがこの際、せっせと大学で講義を聴講しております。本日のテーマは「源氏物語の色」講師は染織家の吉岡幸雄氏。講義名に源氏の名がつくと多勢の女性受講者が、とのこと。いつも私が受講する講義(歴史関係)は男性陣が圧倒的に多いが、今回は確かに女性ばかり。とてもわかりやすく時々ユーモアも交え楽しい講義で、実際に植物から染織した反物や染材を多数持参くださり、千年前の内裏の色彩に触れることができました。

私は講義受講後、講演者の著作本を読むように心がけています。本日は「源氏物語の色辞典」を入手。なんと全54帖に描かれた襲(かさね)の色目布を植物から再現し、光源氏が愛した女性達にまつわる華麗な衣装が掲載されています。私は前向きに世の中を生き仕事を卒業し年金生活に入りましたが、こうしたひたむきな研究者に出会うたびに我が身の不甲斐なさにやや墜ち込んでおりますが、こんな感傷は横におき、源氏物語の色はほのかな香りがただよい雅で絶妙な色合いに溢れた1冊に出会いました。

                   五月に咲く桐の花(紫)の彩りと光源氏が想いを寄せる藤壷を象徴する紫の襲の再現。
              光源氏の最愛の女性、紫の上へ贈った衣装。紫は高貴で高位な色合い。